耐震強度の話
築50年の元学校に住むことにした我々。
リノベーションの方針も固めました。
でもそもそもこの家、この先ずっと住んで大丈夫?
築50年だよ。大きな地震とかきて崩れたら困ってしまうよ。
ということで、リノベーションの実作業について考える前に、建物の耐震強度について素人なりに調べてみました。
まず、建物には耐震基準というものがあり、基本的には地震でも倒壊しないような強度を持った建物しか立てられないように定められている。
制定は1950年。1981年に改正。
この辺は素人の解説よりちゃんとしたサイトの解説を読んだ方が分かりやすいと思うので省略します。
この記事を書くにあたっては天下のSUUMOさまを参考にしました。
築50年、建築基準は旧基準。
地域的に地震についてはしっかり考えたい。
大地震だとちょっと心配かも。
上記コンテンツの中でSUUMO先生は
とおっしゃっています。
まあSUUMOだからね、絶対勧めてくるけどね。
でも実際した方がいいに決まってるよね。
耐震診断・補強についてグーグル先生に訊いてみたところ、
木造住宅に関しては市が無料診断を行ってくれ、
補強工事も一定額まで市が補助金を出してくれるとのこと。
が、しかし、この家、軽量鉄骨造なんですね〜
非木造に関しても診断・補強工事ともに補助金は出るみたいなので
市のリンクから診断をお願いできる建築設計会社にメールを送り、見積もり依頼をしたい旨を伝えたところ、図面を持ってきてくださいとのこと。
早速翌週に行ってきました。
(祖母はものを捨てない人で、この家の図面や構造計算書などの資料は全て残っていました。)
*
建築設計会社では構造担当の設計士の方が直接対応してくださいました。
行って、概要を説明し終わると、図面をね、コピーするんですよ。
大量の紙束を全て。
20〜30分はかかったかな。
その間ずーっとお話ししてました。
依頼に大切な説明というよりは、コピータイムの暇つぶしという感じ。
でもおかげでたくさん情報を得ることができました。
市の耐震補助金制度というのは、元々県が方針を固め各自治体に指示を出したもので、市は言われるがままに設置したと言っても良い。
特に鉄骨造の場合、耐震診断も無料ではなくあくまで補助金が出るだけだし、
改修に関しても支給される補助金は本当に補助くらいにしかならならない。
「地震怖いし、市が補助金出してくれるっていうし、耐震診断してみようかな」
↓
「現基準を満たしてないみたい。市が補助金出してくれるっていうから補強工事する!」
↓
「実際の補強工事にかかる金額見たら自分で払うお金めっちゃ多いからやっぱ工事やめる!でも地震は心配…」
と不安を増幅させるだけの結果になるケースが多々あるそうです。
ザ☆お役所仕事。
(※うちの市の場合。自治体によって差があるそうです。)
緊急時に物資運搬に利用される幹線道路に面した物件だと市が全額出してくれるケースもあるそうですが、今回の建物はそれには該当せず。
図面をざっとみた感じの設計士さんの見解。
2階の床が木のみで建物自体の重量は軽そうだから、
鉄骨がよっぽど劣化していない限りそこまで心配はいらないかも。
むしろ軽いゆえに台風とかの方が心配かも。
そして潮風が吹くような立地でもないので、鉄骨が劣化している可能性もそこまで高くない。
診断してみても以外と悪くない結果が出る可能性もある。
あくまで推測だけれど。
とのことでした。
さらにさらに。
鉄骨は補強も溶接作業が必要になるから大掛かりだよ〜
うちでも軽量鉄骨の耐震診断をしたことあるけれど、その結果を見て実際に補強工事をしたケースってほとんどないかも。
えー何それ!診断自体するかどうか迷っちゃう!
色々お話を聞かせていただいたことに感謝しつつその日は終了。
*
後日、メールにて耐震診断の見積もりが送られてきました。
その額は………
診断のみで80万弱。
これでも構造計算書や図面が残っていたので、それを書き起こす分がなく済んでいるんでマシな方です。
でね、市からの診断補助金、最大で約9万円なんですよ。
本当に補助にしかならねえ。
もしこれで補強が必要になった場合、さらに補強案を設計してもらい(15万)、工事が発生します。
補強工事への補助金も聞いてください。
最大10万円。
本当に補助レベル。
既出SUUMOさんによると
「補強工事は基礎や地盤まで実施すると高額になる場合もありますが、一般的な壁の補強は約140万円程度。リフォームも同時なら割安になることが多いです」
一般的な補強で140万だよ。
一般的じゃないこの建物の耐震補強工事、いくらになるんだ…。
そんなところに10万円もらったって焼け石に水。
ジュッ!と一瞬で気体になってしまう。
うーん、リノベにたどり着く前に諦めたくなりそう。
しかしこれが高いのか安いのか、相場が分からないなと思い色々ぐぐっていたら、日本耐震診断協会さんが診断費用の目安を紹介してくれていました。
以下抜粋。
S造(鉄骨造)では延床面積が1,000㎡~3,000㎡の建物で
概ね 約1,000円/㎡~3,000円/㎡です。
この建物の延べ床面積は約240㎡なので
800,000÷240=3,333円/㎡
相場よりちょっと高め?
ということで、2社目の見積もり依頼を出してみることにしました。
安かろう悪かろうでは困るので、しっかりしたところに頼んだ方が絶対いいけど。
2社目への見積もり依頼の話は1社目と大差なかったので割愛します。
もう2社目の見積もりは…………(でけでけでけでけ)
50万ちょっと!
安い!もう色々感覚が麻痺してきました。安いです。
ただし1社目だと15万だった補強案の作成がこちらは20万オーバー。
トータルで見たらそこまで大差はなさそう。
そっかー、耐震診断って高いんだあ。
*
悩んだ結果、1社目の設計士さんの言葉に賭けて、耐震診断はしないことにしました。
夫は最初から、しなくても良いんじゃないという意見だったし。
古い建物に住むということは、その辺のリスクも受け入れるということだからというスタンスみたい(違ったらごめん)
新築の家だって、耐震補強をした家だって、地震の難を逃れることはできても
他の火や水や天候なんかのリスクは背負うわけだしね。
これはあくまで我々夫婦の状況での結果と判断です。
我々はリスクを受け入れた上でこの建物に住むことに決めたのでした。
*
余談。
1社目の設計事務所にお伺いする時、平日仕事終わりに向かうと早くても19時を過ぎる旨を伝えたところ、全く問題ないですと言われました。
実際お伺いした時も煌々と電気がつきざわざわしていました。
2社目は0時過ぎにメール打っても速攻で返信がくるのでブラックを感じて怖かったです。
建築業界は大変だってよく聞きますが、実際そうなんですね。
私のいる業界もなかなかのブラックと言われがちな業界ですが。。